今日の聖書箇所は、復活問答といわれる箇所です。復活があるのかないのかは、当時ユダヤ教の中で最も議論されていることの一つでした。といいますのも、当時ローマ帝国と強く結び付いていたサドカイ派の人々は、モーセ5書のみを聖書と認め、復活はないと主張していました。これに対してファリサイ派の人々は、今と近い聖書を認め、復活もあるのだと主張していました。この両者の間でよくなされた議論が、この夫が子どもをもうけないで次々に死んでしまう話でした。27~33節です。


 皆さんならばどう考えるでしょうか。非現実的な設定ですが、絶対にないとも言いきれません。頻繁になされていた議論なので、ファリサイ派の答えも決まっていました。まず最初に夫であった人の妻だといいます。そうしますと、更にサドカイ派の人々が反論をして、不毛な議論に陥っていくことになります。


 しかし、主イエスは復活があるという点ではファリサイ派の人々と同じですが、どちらの派も分かっていないと仰います。34~36節です。もはや結婚自体がなくなるのだから、不毛な議論です。天使と等しい神の子だから、もう問題になりません。


 そして復活については、サドカイ派も認めるモーセ5書から立証します。37・38節です。アブラハムの神というのならば、神は生きている者の神なのだから、アブラハムも生きています。


 そして私達もまた、生きている者の神と共に、復活にあずかる者として、神の子として永遠の命を生きます。


 最後に39・40節です。「立派なお答えです」と主イエスに賛同する律法学者もいます。そしてもはや問答を仕掛ける人々はいなくなります。


 私達も復活はないという人々に抗して、永遠の命を生き続けましょう。