今日の聖書箇所は、悪魔から誘惑を受ける箇所です。悪魔が三回、主イエスを誘惑し、主イエスが三回とも神の言葉(旧約聖書)でもって、誘惑を跳ね返します。まず最初と最後に注目しましょう。最初は、1・2節です。「霊によって引き回され」に注目しましょう。悪魔の誘惑は、神を抜きにして、悪魔と主イエスとの係わりではなくて、神木ご計画の内にある事柄です。


 次に最後です。13節です。悪魔は、すっかり諦めて去っていったのではなく、時が来るまで、主イエスのもとを離れます。これは、勿論、イスカリオテのユダの裏切りのことでしょう。主イエスは悪魔の誘惑に勝ちましたが、ユダは悪魔・サタンに負けてしまいます。


 三つの誘惑は、とても魅力的なものです。一つ目は、空腹の絶頂において、石がパンに変わるようにせよ、です。3・4節です。主イエスは、パンの必要性を否定しておられるのではなくて、パンだけではなくて、神の言葉の必要性を語ります。


 二つ目は、5~8節です。悪魔を拝むならば、一切の権力と繁栄を手に入れることができるというものです。これも、主イエスは、「ただ主のみに仕えよ」という言葉で退けます。一切の権力と繁栄があるならば、この世界の多くの不条理は解決できますから、これは魅力的です。しかし神の救いは、そのような仕方ではありません。


 三つ目は、9~12節です。「主を試してはならない」のです。私達は、それぞれの人生において、どれほど主を試してしまっているでしょう。主イエスの十字架によって罪赦されない限り、どうにもならないほどです。


 主イエスは十字架によって私達の罪を赦し、悪魔の誘惑に負けるしかないはずの私達を守ってくださいます。