今日の聖書箇所は、主イエスが弟子たちを伴って、エルサレムへの旅をはじめた直後の三つの対話です。この三つの対話を通して、弟子として歩む上での大切なことをルカは語ります。

        
 一つ目は、「どこへでも従う」と申し出る人物です。57・58節です。「人の子には枕する所もない」と主イエスは仰います。よく教会を「地上を旅する神の民」と申します。そこにある自覚は、このように、この世界に居場所のない主イエスを頭とする私達教会は、旅をする民だという自覚です。会堂建築においても、この自覚を見失ってはいけません。教会は、会堂ではなくて、私達の群れそのものです。


 二つ目の対話は、(文脈は分かりませんが)主イエスの方から「従いなさい」と仰います。59・60節です。葬儀もあげるな、かかわるな、というのは、ずいぶん厳しいことが求められているように思います。しかしそれは、通常の時ではなくて、十字架に向けて歩みだした時の出来事です。主イエスとその一行のもっている切迫感がこの人物にはないことが問題です。


 三番目、最後の対話も厳しいものです。61・62節です。家族への挨拶などしないで直ちに従うのです。ここにあるのは、弟子の覚悟というよりも、エルサレムへ(十字架へ)向かう主イエスの覚悟です。私達に求められているのは、そのような主イエスに従っていく覚悟です。