ルカによる福音書で、前回、ようやく主イエスがお生まれになりました。その直後にあるのが、羊飼いと天使たちの記事です。今回は3回にわたって、3つのポイントからそれぞれみていきましょう。

 今日は、「喜びを見る」というテーマです。8~12節です。羊飼いたちが夜通し羊の群れの番をしていました。当日の天候などが分からないので、明るさも分かりません。しかし夜ですから、暗かったのは間違いないでしょう。恐らくそんなに明るくはないたき火が、とても明るく感じられたことでしょう。しかし天使が現れて、主の栄光が周りを照らします。たき火の灯がかすむほどの光です。

 なぜ天使は羊飼いたちの所に現れたのでしょうか。羊飼いがどういう人々であったかについては、真逆の二つの立場があります。一つは、神(そして主イエス)が羊飼いに例えられておりますように、指導者というイメージです。いま一つは、社会の最下層の人々というイメージです。それぞれに意義深いのですが、どちらの場合も、天使が告げる大きな喜びは、民全体に与えられるものです。この民も二つの解釈があります。ユダヤ人のみと、全人類です。もしも前者だとしても、最終的には後者になるので、問題ありません。

 この大きな喜びのしるしは、乳飲み子です。冷静に考えれば変な話です。しかし、羊飼いたちは天使の言葉を聞き、実際に見に行って、天使の話したとおりだったので、受け入れました。この救いの大きな喜びは、単に聞くものではなくて、「見る」ものです。私達も救いの福音を見るという原点に立ち返って信じましょう。