今日の聖書箇所は、ローズンゲン(日々の聖句)の今年の聖句です。最初に、「序」の部分紹介しましょう。……。


 コリントの信徒への手紙一は、既に聖書に親しみ祈る会で、全て読みました(現在は、二を読んでいます)。この手紙は、かなり厳しい口調になっている箇所があることからも分かるように、パウロの教えに反して歩んでしまっているコリントの教会の人々への叱責がかなりの部分を占めています。しかしパウロは叱責するだけではなくて、復活について大切なことを教えたり、エルサレムの教会への募金を勧めたりしています。


 パウロがこの手紙を終えるにあたって勧めていることの一つは、「何事も愛をもって行いなさい」です。これは、今年の聖句にもなっていますように、一年間、あるいは常に私達が心にとめていてよい言葉ではないでしょうか。現在も世界中様々な所で殺し合いが続いています。ウクライナやガザ地区など、枚挙に暇はありません。


 しかし私達は「愛をもって」と勧められています。愛は、(以前にもお話ししたように)感情の問題ではなくて、行為の問題です。愛が課題になるとき、それは感情として愛しているかどうかが問題になるのではなくて、愛の行為を行うかどうかが課題です。殺し合っている人々は、お互いに自分の正義を掲げて、自分たちが他者を殺すことを正当化します。もしかすると、正当化しているという自覚すらなく、自分たちの正義を振りかざします。


 それに対して、主イエスが求めるのは、敵をも愛する愛です。私達が敵を愛するのであれば、愛する相手を殺すことができるでしょうか。私達人間が「何事も愛をもって行う」ようになれば、この世界の様々な問題は解決するでしょう。今はまだ全ての方々がそうはならなくても、まず私達はこのことを常に心において歩みましょう。